[055] 電位依存性ナトリウムチャネル【改】voltage-dependent sodium channel (rev) (GB#113A02B)

[055] 電位依存性ナトリウムチャネル【改】voltage-dependent sodium channel (rev) (GB#113A02B) | 基礎医学教育研究会(KIKKEN)Lab

Na-channel

【新規修正あり】
●このサイトは全体としてはまだアクセスは少ないけれど,その中で,このところ(2017年),「[024] 電位依存性ナトリウムチャネル voltage-dependent sodium channel」のページのアクセスが,何故か突出して多い。 とてもありがたい反面,実はずっとアニメの部分に,正確ではないところがあって(このサイトのアニメにそもそも”正確さ”が備わっているのか?というツッコミは置いといて(^^)),放っておくのが気が引けるので,とりあえず,4 年を経て,ついに描き直すことにした。

●とは言え,細かいところの話なので,違いが気にならない人は読み飛ばしてもらっていい。 それでも「電位依存性ナトリウムチャネル」アニメはこのページのものが最新版(改訂版)だ。

●チャネルのスイッチはプラス(らしい)

電位依存性チャネルは,分子の中の電気を持った特定の部分が,チャネルが埋まっている膜の内外の電位差に応じて動くことが,ゲートの開閉のスイッチになっている。 原理は,同じ極性同士は反発し,異なる極性同士は引き合うという簡単なものだ。 以前のページ[024]では,まだよく分かっていないだろうと勝手に考えて,このスイッチをマイナス(負)電気を持った粒子だとみなして,アニメを描いていた。 ところがその後,調べてみると,ナトリウムチャネルではまだ情報は見つけられなかったけれど,少なくとも親戚筋の電位依存性カリウムチャネルでは,ゲートはプラス(正)電気に帯電している粒子であることがほぼ間違いないらしい(ゲート/脳科学辞典)。(正確にいうと,ゲートを動かすための電位センサーが正の粒子ということ。)

ということは,ナトリウムチャネルの絵を描くときも,わかっている情報を援用するべきだし,とりあえずはゲートのスイッチはプラス(正)粒子で描くべきだろう。 というわけで,改定した最新版がこのページのアニメだ。

voltage-gated sodium channel
マイナス粒子をプラス(正)粒子に置き換えたので,膜電位に対しての粒子の動きはマイナス(負)粒子のときとは逆向きになっている。 細胞内が負の静止膜電位では,スイッチは内側に向いていて,脱分極すると外側に向かって動く。 

その他,スイッチの動きとゲートの開閉のタイミング,それとイオンの動きを若干,あらためた。 これは見ても,気がつく人はほとんどいないかもしれない。

●電位依存性ナトリウムチャネルは脱分極で開く

活動電位を起こすチャネルなので,活動電位に移行する前に,電位が逆転する前に開き始めるチャネルが大部分であることは当然なのだけれど,従来のアニメではそこのところの表現が曖昧だったので若干修正した。 チャネルが開くタイミングを脱分極とほぼ同時になるように改めている。 この修正は2019年7月の Twitter上での ’Yuki’Kamitani”氏と”あきらさくらい”氏らの議論を踏まえています。

○参考にしたサイト

ゲート/脳科学辞典(2013/8)
電位依存性ナトリウムチャネル – 脳科学辞典
膜電位センサー ― 脳科学辞典
Voltage Gated Sodium Channels/University of Washington
電位センサー(大阪大学大学院生命機能研究科 統合生理学 教室)

○関連する記事

[024] 電位依存性ナトリウムチャネル voltage-dependent sodium channel
[021] 活動電位 action potential
[031] 興奮伝導 conduction of excitation
[028] 静止膜電位 resting membrane potential
[036] リガンド依存性イオンチャネル ligand-gated ion channel
[040] シナプス伝達 neural signal transmission 041-heartmuscle80.gif
[044] 伸張反射 stretch reflex
[013] 細胞膜の脂質二重層 lipid bilayer of the cell membrane
[004] 陽イオンと陰イオン(1)引力と反発力,cation and anion, attraction and repulsion 
[019] アデノシン三リン酸(ATP) adenosine triphosphate

○参考文献

臓単―ギリシャ語・ラテン語 (語源から覚える解剖学英単語集 (内臓編))
カラー図解 人体の正常構造と機能 全10巻縮刷版,坂井 建雄,日本医事新報社
人体機能生理学,杉 晴夫,南江堂
細胞の分子生物学, ニュートンプレス; 第5版 (2010/01)
トートラ人体解剖生理学 原書8版,丸善
イラスト解剖学,松村 讓兒,中外医学社
・柔道整復学校協会編「生理学」,南江堂
・東洋療法学校協会編「生理学」,医歯薬出版株式会社

rev.20171222, rev.20171223, rev.20171227, rev.20180105, rev.20180106, rev.20190704, rev.20191229.
◆基礎医学教育研究会(KIKKEN)

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コメント

    (nishino syouichiより) [2019/10/24][10:23 PM]

    基礎医学教育研究会(KIKKEN)様
    勉強になります。ありがとうございます。

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