・忘れられた?道端の色あせた消火栓。生きてます。

・この163-2という番号が振られた色あせた古い消火栓は,福岡県の田舎町の道端にあります。
・コンクリートの土台がとにかく頑丈そうで,その前面がうす黄色くよごれた感じですが,もともとは,たぶん注意をするように黄色く塗られていたのだと思います。
・この土台の無骨な重量感もあって,人通りの少ない殺風景な道端で,この消火栓は異様な存在感を持っています。

・両側にまるで”手”のように張り出した部分がたぶん消防ホースの連結口です。

・しかし,横から裏を覗くと,別の小さな配管が2本飛び出ていて,こっちのほうが両手を持ち上げて手首を垂らしたようにも見え,全体的に,石垣に向かって指示を待って立っている寡黙なロボットのようで,滑稽な雰囲気があります。


(「ガチャピンとムック」の”ムック”?)

・真ん中の帽子の下に,◯をまたいで矢印があります。これが英語の OPEN の”O”だとすると,矢印方向に帽子を回すことでホースに水が流れるということでしょう。
・後ろに飛び出ているそれぞれの配管の上にも◯があって,外側からそれに向けての矢印が添えられています。これも回すと OPEN という意味でしょうか。それにしては回すには放水用とは別の専用のレンチがいるようで,簡単そうではありません。たぶん,放水用の配管ではなくて,別の目的の排水用なのかもしれません。

◯下のふたつの写真は,長崎県のある離島の消火栓です。全体のフォルムは共通してますが,それぞれ細部が結構違っています。ただし,裏がどうなっているかはわかりません。これを撮った頃は,裏まで気が回りませんでした。


(こっちは「鉄人28号」?)

(これは...)

◯消火栓163-2を6年ほど前に撮った写真には,消火栓の脇に,ガード用のポールが斜めになりながらも立っていました。この相棒がいつの間にいなくなってました。なぜ消えたのか不明ですが,立っていたときから満身創痍という姿でしたからね...,残念。

・この消火栓はあまりに古くて,もう使えないのではないのかと思っていましたが,新旧の写真をよく見ると,両手の放水口の栓と帽子の栓の位置がそれぞれ若干ずれているのがわかります。たぶん,この間に少なくとも一度は栓が回されたことがあるようです。このあたりで火事があったとは聞いてませんから,メンテナンスがされているのでしょう。

・これらの消火栓は,業界では地上式双口消火栓(http://www.k-fh.co.jp/items/chijyoshiki/38w/)というようです。

・また,全国の消火栓の写真を集めた,消火栓写真館というサイトがあることも始めて知りました。
・それによると,地上式消火栓は,主に積雪対策として設置されているそうで,主に東北・北海道で普及しているタイプだということです。実際,この写真館では,九州編に地上式はほとんど掲載されていません。ここの写真を掲げた福岡や長崎にある地上式は九州では結構貴重なものかもしれません。