・DYMOテープライター,致命的なツメ折れからの奇跡の復活!


・ハードテープに浮き出し文字を印字するDYMOをずっと愛用しています。

・大昔,中学校の途中で図書室にあたらしく配備されたDYMOを見たときが最初の出会いです。
そのときは受付の人に依頼書を出すと,希望に応じて文字を打ってくれるというシステムでした。
一文字いくらとかの有料制でしたが,それほど高くなくて,面白がっていろんなモノに貼り付けてました。

・中学校の卒業後はそのようなサービスには出会うことはなく,DYMOのことも忘れていました。
しかし,大人になってしばらくして,広用品も私物も含めて,物品の識別シールの必要性を感じて,検討しました。
すでにテプラとか出回っていたのですが,これは文字の耐久性が今ひとつです。

・そこではるか昔に使っていたDYMOを思い出しました。
文字が浮き出しで消えないこともありますが,テープ自体の粘着力も独特で,いちどきちんと貼ったら簡単に剥がれないし,無理やり剥がしたら,テープは傷ついて再利用は向きませんが,貼り跡には接着剤が残らずキレイに剥がせる等,やっぱりこれしかないなと思いました。

・とはいえ,もう20年以上も前の製品なので,今ななくなっているだろうから,それに代わるもの何かないかなと思いながら検索したら,なんとDYMOそのものが,しっかり生き残っているではありませんか。
それも中学校のときは結構大きなボディだったのが,ほかに小型の比較的手頃なタイプがいくつも出ているのを知りました。
その中で,文字が大きくてしっかりしているように見えるものを選んで2006年に,購入したのが,このDYMO Omega です。
(今,値段を見たらなぜかこれだけ,えらく高いですね(^_^;))

・それ以来,10年以上利用してきたのですが,1年位前に中のテープ送りが壊れてしまいました。
レバーと連動して送りギアを回すツメが折れてしまったのでした。なんとか本体を解体して中を見ると,すばらしく高耐久性のテープとはうらはらに,このツメはおそろしく貧弱な設計です。できれば金属バネを使ってくれたら長持ちしただろうにと悔やまれます。

・何度も,ボンドでなんとか固定を試みてましたが,固定できたように見えても,セットするとすぐに折れてしまい,なかば諦めて放置していました。
新しいのをAmazonで探して買い換える寸前まで行っていたのですが,先日の電動歯ブラシ復活の経験から,あの二塩化メチレン液を使えばなんとかなるのでは?と,あらためて再度挑戦したのが今回の記事です。結果,みごとに復活しました。

・まず,二塩化メチレン液をボディのプラスティックにつけてみたら,見事にこれまでにない勢いで表面が溶けます。これは十分いけそうです。
これまでなんども失敗していた原因は,接着面の強度不足です。そこで今回は,ボディの強度にあまり影響しない部分から部材を切り出して,ツメ接着の補強をして完全に固める作戦に出ました。

・ツメの土台部分に切り出した部材を小さく切った板を貼り付けて固定します。

・十分固着したあと,少し整形して,ツメを補強板とともに接着しました。また,接着部位の上と下にも部材を貼り付けて,三方から固めて補強しました。前面はレバーとともに出入りする部分なので,補強はできませんが,これで,これまでの接着とはまったく違って,かなり固くなりました。

・逆に固くなりすぎて,ツメをずらすときのシナリが不足して動かないのでは?と心配しましたが。

・セットしてみると,その影響はあまり考えなくてもよい感じです。きちんとツメがギア送りしたあと,ギア山を越えて次のセットに移行します。
ただ,そのときカッチンと結構大きな音が響きます。DYMOが健在のとき,ちょっといちいちうるさいなと感じていた,その音の原因はこれだったのです。

・印字が終わるたびにギア送りツメには結構な衝撃が襲うのですから,接着した部分が心配です。

・しかし,その後数十回程度はカッチン,カッチンとやってみましたが,接着部位に異常は見当たりません。たぶん,大丈夫ではないかと思います。

・ついでに文字盤の内側も観察してみました。

・写真では,文字の凹盤と,一文字ごとに切れ目が入っている凸盤の間にテープを挿入して,この凸盤をレバーで押し込むことで印字するしくみです。

・分解したついでに,凸盤を押し上げるレバーの当たりも少し調整してみました。

・その後,しばらく使ってみましたが,ツメの破損も起こらず,今度は大丈夫のようです。
これでまた,新品を購入する費用が節約できました。(文字盤の取替式のものでも4000円しないので,利便性からいうと新品のほうがいいですけどね...)

・二塩化メチレンは「アクリル樹脂専用」とは書いてありますが,ポリカーボネートも溶かすことがわかって,実用的な使いみちが広がりましたね。

・プラリペアという補修材がいいと聞いて,それじゃないと無理かと思いましたが,DYMOの素材は二塩化メチレンで,油断するとドロドロになるくらい溶けるので,必要はなかったです。